Vol.3
明治大学連合父母会顧問
今村 健
――明治の校歌の良さはどこにありますか。
「明治大学は、封建時代から〝権利自由〟〝独立自治〟の新しい時代を創造しようという若者が創った大学です。まさしく現代はデジタライゼーション(AIやブロックチェーンといったデジタルを活用して社会が変革されること)の波が押し寄せており、今までとは違った価値観の社会に生まれ変わろうとしています。新たな時代の創造を謳う校歌は、時代を経ても色あせません。校歌は、大学にとって大事な資産、宝だと思います。
――コロナ禍にあってまさにいま、価値観が変わり始めているように感じます。
コロナ禍は日本の生産性の低さや非効率な側面をあからさまに明示してしまいました。デジタライゼーションも本来であれば時間をかけて変革していこうということだったかもしれませんが、アフターコロナの実現に向けて、我々にはそんな時間はないことに多くの人が気付きました。
――我々学生もいままでとは違った学生生活を強いられています。
例えば一年生の皆さんはまだキャンパスに行っていないと聞いています。そんな新入生の皆さんにとって、他大学とは違う「明治大学らしさ」とはどういうことなのか、明治大学のアイデンティティとはどういう意味があるのかといったことは考える余地すらありません。校歌プロジェクトは、明治大学の一員であることの意味を、デジタルを活用したりしながら、楽しんで浸透させていこうという大いなるチャレンジだと考えています。
――父母会は何故、校歌プロジェクトを支援しているのですか。
僕は、明大生の皆さんが社会に出て、世の中をこっちの方向に向かわせていくぞという風に〝暁の鐘〟を撞いたり、新しい世界を創っていくことを〝我らに燃ゆる希望あり〟という風に意気に感じてくれたら嬉しいと思っています。そういう思いを持って社会で働くと、仕事って楽しいんです。是非明大生には楽しく充実した未来を生きて欲しいし、そのためにも明治大学は皆さんを応援している証として校歌を知って欲しいと思います。校歌って1番、2番、3番とストーリーがつながっていて深さを感じます。
――大学の校歌は独特な威厳があると思います。
高校時代の校歌のポジションは「歌わなくてもいいよ。面倒くさいから」というようなポジションである場合が多いと思います。もしも今の学生さんたちの校歌のポジションが高校時代の校歌と似たようなポジションであるとしたら、大切な資産を持つことが出来ないということになる訳で、本当にもったいないことです。実行するに当たっては、校歌プロジェクトが学生主体でムーブメントを創っていくことが一番だと思います。
――学生に対して明治の校歌をどんなふうに捉えてほしいと考えていますか。
「〝時代の夢を破るべく〟〝我らに燃ゆる希望あり〟〝高き理想の道を行く〟。このように生きていくと、きっと幸せだと思います。皆さんが将来、仕事が楽しいと思えるようなら、大学からすれば社会のリーダーを沢山輩出できるということになりますし、そうなると明治のブランドがまた上がる。こういった循環は学生も嬉しい、校友も嬉しい、父母も嬉しい。〝三方よし〟だと思っています。
――ありがとうございました。
取材:明大スポーツ新聞部